玄米食

はじめに

 このページは、自分の健康を保つために調べたことの個人的なメモである。
 玄米食に関して、興味あるところに偏って、整理して行こうと思う。

玄米食の種類  年代順?

(1) 発芽玄米味噌 / 粳穰醤 (コウツォウジャン)  年代不明
 中国の無錫一帯で、発芽させた玄米を使った味噌があったと聞いた。 cf. [大海1997]
 日本の四国にもあった?時代は不明。
 
 現在、発芽玄米味噌は販売されている。

(2) 黒酢  1820年頃
 鹿児島県霧島市福山町で造られている黒酢は1820年頃から伝わる醸造方法。
 かめ壺に蒸した玄米・米麹・水を仕込み、さらに麹で覆う(振り麹)。
 糖化 → アルコール発酵 → 酢酸発酵が進む。
 熟成することで少しずつ色づき、黒酢となる。

(3) 酵素玄米ごはん / 寝かせ玄米ごはん  1970年代
 玄米に小豆と塩を加え圧力釜で炊いた後、数日保温して熟成させたご飯。
 
 1970年代の長岡式酵素玄米ごはんが始まりか。
 なぜ「酵素」とつけたかは不明。(保温温度の70℃以上で、酵素は活性を失う)
 
 炊飯器メーカーの間では「酵素玄米ごはん」という言い方でほぼ統一されている。
 
 保温熟成が進むと、
 ・もちもちしてくる
 ・玄米の糖質と小豆のアミノ酸がメイラード反応して、甘味・旨み・香ばしさが増し、色濃くなる
 ・メイラード反応で析出したメラノイジンは抗菌作用・抗酸化作用が強く玄米ご飯を腐食させることなく保温できる
 cf.「炊飯器メーカー」各社の説明より。
 
 白米から玄米ごはん食に変えることで、食事の好みが大きく変化してくる。 cf. [二木1932]
 これはこれでおもしろい。

(4) 玄米酵素  1971年
 生(なま)の玄米・胚芽・表皮を麹菌(カビの仲間)で発酵させ食べやすくしたもの。
 発酵により、吸収しやすい遊離型ビタミンB群が大幅に増えている。 cf. 株式会社玄米酵素 
 
 食生活を変えずに、玄米の栄養を摂取できる。好きな食事に少量プラスする感覚。
 旅行先でも便利。

(5) 発芽酵素玄米ごはん  1990年代(?)
 玄米に「発芽玄米」を使った「酵素玄米ごはん」を「発芽酵素玄米ごはん」と言う。
 玄米から程よく発芽させて炊ける炊飯器(2008年以降)を下方に紹介している。
 
「発芽玄米」以前:  ・よく噛むことが大切
「発芽玄米」以降:
1990年代(?)以降
 

ところで酵素って何?  cf. [村井2024]

 酵素: タンパク質(熱に弱い)で出来た物質(生物ではない)。酵素は生物がつくりだす。
     酵素は、高分子の食べ物を分解し、体内に取り込めるようにする働き(消化)。
     
     酵素は数千種類あり、1つの反応に対し1種類の酵素が専用に働く。
     例えば、アミラーゼという酵素は、デンプンを糖に変える専門。
     
     食べ物の中の酵素は体内で働くことは(一部を除き)なく、ほぼすべての酵素は胃で消化される。
 
 発酵: 微生物の活動によって物質が変化すること。
     (微生物がつくりだした酵素により、食材が変化すること)
 
 安心して味噌汁を加熱してよい:
     発酵食品が体によいのは、酵素によって生み出されたさまざまな栄養のおかげ。
     酵素の役割は終わっているので、加熱によって酵素が働かなくなっても構わない。

歴史

1690年頃から:
(元禄時代から)
 白米食が江戸に普及し始め、江戸にしかいない病い(江戸わずらい)が発症。 cf. [櫻木1974]
 江戸わずらいは「脚気」のこと。当時は原因分からなかった。
1820年頃:  黒酢が造られるようになる。
1870年頃から:
(明治初期から)
 白米食が農村も含め日本全体に広まる。 cf. [櫻木1974]
 国民全体が三度三度白米を食べられるようになるのは1960年頃か。 cf. [大海1997]
1910年頃:  脚気が玄米等で回復することや、原因がビタミンB1の欠乏であることがほぼ分かる。
 cf. [Wikipedia] Casimir Funk, 鈴木 梅太郎
1923年:  日本の脚気死亡者数がピーク。 cf. [Wikipedia]
1971年:  岩崎 輝明 氏が、酵素研究家 岡田 悦次 氏と共に玄米酵素の製造販売を始める。 cf. 株式会社玄米酵素 
1970年代 医師の長岡勝弥氏により「長岡式酵素玄米ごはん」が考案された。
 cf. 長岡式酵素健康の会 本部
1997年:  「発芽玄米」という言葉が使われるようになってきた。 cf. [大海1997]
 ・「発芽玄米」にすることで、柔らかく、栄養価・うまみ・消化吸収が向上
 ・発芽前では、フィチン酸がミネラル吸収や酵素活性を妨げるマイナス面がある。
  「発芽玄米」になると、フィチン酸が酵素によって分解され、これらの弊害がなくなる。
 ・「発芽玄米」は、栄養価が落ちない程度に芽の伸長を止めた状態。
  この量産化が難しかったのだが、ようやく冷凍または乾燥の製品が販売され始めた。
 ・「発芽玄米」自体は、縄文・弥生から既に食べられていたのでは?としている
2008年:  日本美健が、「発芽酵素玄米炊飯器」を販売し始める。 cf.『New圧力名人
 要するに「発芽玄米」と「酵素玄米ごはん」の組合せがようやくメジャーになってきた。
2009年:  荻野 芳隆 氏が代表を務める「結わえる」が「寝かせ玄米」の事業を始める。 cf. [荻野2013]
   

関連本  古い順

・[二木1932]  二木 謙三 (ふたき けんぞう)、「完全栄養と玄米食」、?、1932。
 2022年に土曜社から復刊された。講演内容の速記録が元なせいか参考文献は書かれていない。
 著者は, 1873年生まれ、ドイツにも留学経験のある、東大出身の細菌学・免疫学者。
 日本人の完全食と適応食は、「玄米と野菜と海藻」。年齢によっては小動物を食べてもよい。
 野菜は2分以上煮てはいけない。小動物とは骨ごと食べられる動物のこと。
 リキーガット症候群から炎症に繋がる話のほか、ミネラル、アルカリ食、ビタミン、食物繊維、一日二食など、
 現代の健康本と変わらないくらいの内容。
 白米を主食とすると、脂肪が足りないので肉・魚が欲しくなり、タンパク質が過剰になり、病気に繋がる。
 玄米を主食とすることで、食量が減り、副食物は簡単なものが好きになる。
 玄米を炊くときに「水にふやかす必要はない」としており、「発芽玄米」ではなかったようす。
 玄米ごはんは、よく噛むこと(フレッチャー主義)が大切としている。
・[桜沢1939]  桜沢 如一 (さくらざわ ゆきかず)、「新食養療法」、実業之日本社、1939。
 日本CI協会からダウンロードできる。
 著者は、1893年生まれ、商社やフランス語を経験しつつ、1916年に石塚左玄の食養会に入会。
 1929年 ソルボンヌ大学などで学び、1931年からフランスで執筆活動を行った。
 1930年代以降に、マクロビオティックを提唱した。1935年に帰国。
 身土不二(しんどふに)(その土地・その季節の産物を摂取)が原則。
 玄米を主食とする。副食は野菜を主としてご飯の3分の1程度(飯三口菜一箸 (めしみくちさいひとはし))。
 ときには野菜の3分の1以下の鳥、魚肉、玉子など加えてもよい。
 十分に噛む。陰陽。
・[桜沢1940]  桜沢 如一、「米の知識 炊き方と食べ方」、大日本法令出版、1940。
 日本CI協会からダウンロードできる。
 「玄米は夏なら7,8時間以上、冬なら15,6時間 浸水させる」とあるので、若干「発芽玄米」に近いか。
 また、お釜の蓋に重しをして、圧力を上げ高温で炊く方法も紹介されている。
・[森下1970]  森下 敬一、「健康自衛論」、読売新聞社、1970。
 [生命科学出版、1981]版もほぼ同じ内容。国会図書館デジタル化資料で閲覧できる。
・[櫻木1974]  櫻木 健古 (さくらぎ たけふる)、「玄米食のすすめ」、風媒社、1974。
・[鈴木1977]  鈴木 弘一 (すずき こういち)、「自然食と玄米酵素」、アロー出版社、1975。
 「玄米コーソ」(株式会社玄米酵素の商品と思われる) の効果 (体験談) を多く紹介。
・[大海1997]  大海 淳 (おおうみ じゅん)、「発芽玄米の謎」、二期出版、1997。
 入手できなかったので、当ページでは[大海2001]と同じ内容とみなす。
・[大海2001]  大海 淳、「発芽玄米のすべて」、生活環境科学研究機構、2001。
 [大海1997]の改訂版。
・[真山2022]  真山 政文 (まやま まさふみ)、「玄米の力 酵素のBaka力」、22世紀アート、2022。
・[村井2024]  村井 裕一郎 (むらい ゆういちろう)、「教養としての発酵」、あさ出版、2024。
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お勧めのお茶

 各著者が勧めるお茶を表にした。玄米食とは関係ないが...
関連本お勧めのお茶
 [鈴木1977]   クコ茶、ハブ茶、ハトムギ茶など 
 [真山2022]   タンポポコーヒー 
 ?   クワ茶 

発芽酵素玄米炊飯器  開発が古い(?)ブランド順

  生の玄米はアブシン酸やフィチン酸のマイナス面があるけど、自動発芽機能で「発芽玄米」にすることで安心して食べられる。
  圧力は各社1.8気圧まで。1.8気圧の沸点が117℃であり、アクリルアミドができ難い120℃以下で炊飯されるのも安心。

 (1)『New圧力名人
  輸入総発売元・企画開発:日本美健 (日本) / (旧)輸入元:ハヌ
  正規販売店:ロハス / HIRYU / ヘルシーマルシェ
  製造元:CUCKOO(韓国)。
  1.8気圧。2008年から販売。

 (2)『なでしこ健康生活
  総販売元:ジーエムピージャパン (日本)
  製造元:CUCHEN(韓国)
  1.8気圧。2011年から販売。

 (3)『酵素玄米Pro / Pro2
  販売元・開発:ふじ酵素玄米キッチン(エイト社) (日本)
  長岡式酵素玄米(1970年代)の再現を重点に2013年に開発された。
  製造元:LIHOM(韓国)
  1.8気圧。保温熟成は温度と湿度を自動調整。
  2019年12月 販売終了。→ (4)を後継として推奨。

 (4)『Labo炊飯器』
  企画開発:酵素玄米Labo (日本)
  製造元:?(韓国)
  長岡式酵素玄米(1970年代)を源流に2017年に開発された。
  1.8気圧。熟成段階に応じて温度と水分量をコントロール。